ご安全に。
システム企画グループの 稲(いな) です。
先日、メキシコ出張がありましたので、メキシコ事情についてCISSブログを更新します。
今回は、メキシコの公共交通機関「Optibus」の専用カードについての日本語記事が
ネットに少ないようですので、今回のブログで詳しく解説していきます。
レオンの交通事情
山九メキシコ駐在員が住むレオン(Leon)には地下鉄や路面電車はなく、公共交通機関といえば主にバスです。
私が宿泊したホテルからレオン市街地、そして少し大きめのスーパーマーケットへは、バスを利用して移動しました。
もちろん、タクシーやUberも利用可能で、駐在の方はそちらを多用しているようです。
■レオン市内の公共交通機関「Optibus」の種類
Optibusバスには4種類あります。
①L Line:幹線道路を走る主要なバス路線です。
②R Line:恐らく「Regional」のRで、X線よりもわずかに郊外を走る路線だと感じました。
③X Line:「Auxiliar(補助)」のXのようです。
④A Line:「Alimentadora(供給)」のAのようで、現地スタッフによると郊外方面へ向かうバスのようです。
①のL線と③のX線にしか乗らなかったため、②、④との具体的な違いは不明です。
今回のブログでは、私が主に利用した①のL線について詳しくご紹介します。

(L線の駅)
幹線道路の真ん中に設置されており、幹線道路の中央側はバス専用/優先の道路になっています。
①のL線のバスは、幹線道路の中央に設置された専用ホームから乗車します。
2025年3月時点の料金は 現金払いが14メキシコペソ(MXN)、カード払いが13MXNで、距離に関わらず一律料金です。
カード払いといっても、クレジットカードやデビットカードのコンタクトレス決済ができるのではなく、日本のSuicaのような専用カードが必要になります。
■現金払いについて
多くの観光客や出張者の方は、現金払いで問題なく利用できます。
現金払いの場合、格子が入った窓口で代金を支払います。
このタイプのゲートは、3本アーム回転式改札ゲートというそうですね。

(駅の改札内からの風景)
現金払いの場合、改札手前に設置された窓口で現金を支払います。
人件費カットなのか、外側の窓口は使われていないことが多く、わかりにくいのですが、内側にも窓口があります。
私は最初、この内側の窓口に気づかず通り過ぎてしまい、少し困惑しました。
 
(ホームの様子。ゴミがなく綺麗。鉄道のように道路より一段高い作りになっていて、横づけしたバスとは段差なく乗降できる。たまにチュロスやお菓子、アイスの売り子がいる場合がある。)
マンパワーでやるため、ラッシュ時には長い列ができる場合がありますので、余裕をもって到着することをお勧めします。
窓口で支払うと、改札口に入れるようになります。
この時、チケットの受け取りはありません。
バー式の改札口を押して入り、行先の路線に合わせてゲートに並びます。
複数路線が入る駅の場合は乗る時に路線を必ず確認しましょう。
ただし、躊躇するとすぐに閉まって出発してしまうので、迅速な確認・乗車が必要です。

(バスの中。ドイツなどのバスと異なり、ごみが落ちていなく、比較的きれい。)
車内は古いものの、個人的にはヨーロッパの主要都市のバスや地下鉄の席・床に比べると、比較的清潔だと感じました。
車内の電光掲示板の表示は一切ありません。
また、運転手によるアナウンスもありませんので、Google マップのGPSで現在地と目的地を確認しながら、降りる駅を自分で判断する必要があります。
降りる際も、躊躇しているとすぐに扉が閉まってしまうので、注意が必要です。

(X線のX-36番線バスに乗った際のチケット。LE-1424は車両番号。)
なお、L線ではチケットは配られませんが、X線に乗車した際には写真5のようなチケットが交付されました。
現金払いやバスについての記事は他のブログにもありますので、そちらも参考にしてみてください。
次に、専用カード「Tarjeta」の入手方法について書きます。
2025年春時点では、このカードに関する日本語のネット記事はほとんど見当たりませんでした。
■カードの入手・カードでの乗車について
このブログのために、専用カード「Tarjeta」を入手しようとしましたが、
これがなかなかスムーズに購入できませんでした。
まず、幹線道路の駅窓口で尋ねてみましたが、スペイン語が分からなくても、
どの駅でも「売っていない」ことだけは理解できました。
窓口での情報収集が難しかったため、ウェブサイトで調べてみることにしました。
しかし、該当するサービスを提供しているウェブサイトを探すのにも一苦労です。
「tarjeta」「leon bus card」「pagobus」など様々なキーワードで検索を重ね、
ようやく以下のウェブサイトを発見しました。
https://www.pagobus.com/
後になって、最寄りバス停の張り紙の端っこにも、このサイトのアドレスが小さく書かれていたことに気づきました。
 
最初に訪れた駅以外の店舗。
窓にPagobus, Optibusのマークもあり、"ya contamos con servicio de pagobus" = "pagobus service is now available" ということですのでここかと思ったのですがそうではありませんでした。
このホームページによると、”Puntos de Ventas Externos"というのがカードの売店だと思いましたが、実際に行ってわかったのは、チャージだけ提携しているサービスセンターの様です。
片言のスペイン語で「OptibusのTarjetaが欲しい」と伝えたものの、ここでは販売していないような反応で、かろうじて聞き取れたのは「デルタ」(駅に行けばあるだろう)という言葉を聞き取ることができました。
後日、このデルタ駅へ改めて向かうことにしました。

別日、営業時間外に訪れた際のデルタ駅改札外の販売窓口。
営業時間は平日8:30 - 16:30、土曜は14時までなので、仕事をしている人は土曜のみチャンスあり。
デルタ駅へはL4バスに乗って行きました。
プラットフォームCで降り、改札へ向かいます。
改札の外側に売店があることが知っていましたが(写真7)、駅構内をゆっくり観察しながらその売店に向かうと、改札内にも窓口を発見しました(改札外からは見えにくい位置です)。
そこでカード購入の旨を伝えると、ここではなく、「プラットフォームBの別の売店になる」と案内されました。
(改札外の窓口でも買えたのかもしれませんが、その窓口からわずか10歩ほどの距離だったので、おそらく買えなかったでしょう。)
 
写真に撮られるのを嫌っていそうなので遠くからの撮影です。
来た道を戻りプラットフォームBへ行くと、スロープを上がったところから少し奥に駅のキオスクのような小さい事務所があり、「punto de venta(販売所)」と書かれています。
店員さんにカードが欲しい旨を伝えると、何度目の正直か、どうやらここで買えそうな雰囲気が漂ってきます。
店員さんが何か話しており、注意して聞くと、かろうじて「Nombre(名前)」だけ聞き取れました。
どうやらカードに氏名を登録するようです。
私はパスポートを提示しましたが、駐在員の方であればIDカードでも良いかもしれません。
店員さんが在庫のカードを取り出し、専用の機械に差し込み、パスポートを見ながら名前を入力していきます。
まさか記名式のカードになるのかと期待しましたが、そうではありませんでした。
カードの準備ができたのか、カード代金を支払います。
次に、チャージ額を尋ねられました。
とりあえず30MXNをチャージし、支払いを終え、ようやく念願のカードを手に入れることができました。
 
手に入れたのは一般用の「Tarjeta General(一般カード)」です。
学生用などには写真入りの赤色のカードもあるようです。
学生や高齢者向けのカードだと、料金は半額の6.5MXNになります。
この後、カードは1回しか使いませんでしたが、あえてメキシコ人同僚の立ち合いなしに購入し、使用することができたのは良い思い出です。
チャージ額が17ペソ残っていますが、有効期限がないそうなので、また出張で訪れることを期待して持ち続けたいと思います。
デルタ駅のほかには、「Central de Transferencia SIT San Juan Bosco」にも販売窓口があることを確認しました。
皆さんもレオンを訪れた際は、ぜひTarjetaの入手と利用に挑戦してみてください!
弊社では、現地においても日系ならではのきめ細やかな物流サービスを提供しております。
メキシコに関する物流のご用命がありましたら是非お気軽に弊社までお問い合わせください。
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