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VIVA MEXICO!

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ご安全に!SANKYU USAの恩知と申します。先ずは簡単に私の経歴を述べさせていただきます。2004年に中途入社で航空貨物部に配属、その後、山九タイ、JPSGL、国際複合輸送部勤務を経て昨年の8月末にSANKYU USAへ出向。今回2度目の海外赴任となります。赴任後ちょうど丸一年が経ったところです。つい2ヶ月ほど前までメキシコに長期出張しておりましたので、メキシコの事情について少しばかり触れてみたいと思います。

皆さんはメキシコについてどんなイメージをお持ちでしょうか。おそらく、砂漠にサボテン、ソンブレロをかぶった口髭のおじさんがテキーラを飲みながらギター片手に歌っているといったところでしょう。さすがに最近ではマリアッチの楽団員を除いて、このような風貌のおじさんを見つけるほうが難しいですが。

メキシコは日本の5倍の国土を持ち、3つの時間帯にわかれていますが、国土の大部分の日本との時差は15時間(サマータイムは14時間)となります。
植民地時代の宗主国がスペインであったため、スペイン語が公用語となっており、国民の大部分がキリスト教(カトリック)を信仰しています。総人口は1億2千万人弱で、少子高齢化の日本とは逆に若者が多く、人口は増え続けています。大雑把な人種構成は混血(欧州系と先住民)が6割、先住民系が3割、欧州系が1割といった感じで、比較的人種差別のない国だといわれていますが、やはり東洋人が少ないこともあり、道を歩いていると(特にセントロと呼ばれる旧市街あたりでは)じろじろと視線を感じることがあります。といっても悪い意味ではなく、本当に東洋人が珍しいのだと思います。中には写真をいっしょに取ってくれと言われたりもします(この時だけは芸能人になった気分です)

限られた一部のビジネスパーソンを除いては一般的に英語があまり通じません。スペイン語と言ってもスペイン本国のスペイン語とは語彙、言い回しもかなり異なり、土着語から派生した語彙があったりとか、同じ単語なのに意味が全く違っていたりもします。おもしろいところでは日本語と同じ発音の単語があります。レストランでバカ、アホと言われても決して怒らないようにしましょう。バカは牛でアホはニンニクの意味ですから。

米国に隣接する地の利から近年では世界の自動車メーカーがメキシコに投資を続けております。この関係で、メキシコのアグアスカリエンテスという街に滞在しておりました。
ほとんどの方は初めて聞く名前だと思います。アグアスカリエンテス(スペイン語でお湯の意味)は日系自動車メーカーの城下町のようなところで、教育レベルも高く、インフラ環境も整い、メキシコ人が住みたい街の上位にランクインしています。ちょうどメキシコのおへそのあたりに位置し、高原地帯で標高が高く(約1900m)空気が薄いため、少し走っただけで息切れがします(年のせいかもしれませんが)メキシコシティーのような大都市ではないため、日本食を口にする機会は少なく、必然的に毎日がメキシコ料理ばかりとなります。

というわけでメキシコの食事につき、お話ししたいと思います。
メキシコの人たちは本当によく食べます。①朝食、②朝食と昼食の間、③昼食、④夕方に間食、⑤夕食と食事の回数がやたらと多いです。1日に少なくとも4-5回は食べていると思います。食生活に規則正しさが全く見られません。通りであろうが、事務所であろうが、常に食べています。昼食を取る時間は一般的に午後2時から3時頃となります。
そのため、日本と同じ感覚で12時頃にレストランに行くとほとんどの店がまだオープンしておりません。昼食がおそいため、朝食と昼食の間に屋台でタコスなどの軽い?スナックを食べます。また、メキシコの人たちは例外なく、コーラーが大好きです。メキシコのひとりあたりのコーラー消費量は世界1とのことです。これだけ食べれば太らないわけがなく、現在、米国を追い抜き、メキシコが肥満体国世界NO.1の座に着いています。

メキシコ料理はとうもろこし、豆、唐辛子の3つの食材を基本とし、その他にもタマネギ、アボガド、ピーマン、トマトなど様々な食材が使われます。絶対に欠かせないのが唐辛子(チレ)です。色、大きさ、形と多種多様で辛味の度合いも異なり、料理によって使い分けます。またサルサ(唐辛子を使った調味料)を作るベース食材となります。
ミチェラーダと呼ばれるサルサ入りのビールまでもあります。

主食はトルティージャ(薄焼きパンみたいなもので、とうもろこしが主だが北部は小麦粉を使用)でこれに具材(肉や野菜など色々なもの)をのせたものをタコスという(ちなみにタコス(TACOS)はタコ(TACO)の複数形)サルサをかけて食べます。どんな具材であれ、トルティージャにまいて食べれば何でもタコスになるということです。
タコスは庶民の食事(いわゆるファーストフード)であり、高級レストランではタコスはメニューにのっていません。メキシコ人の知人は冗談半分でタコスは貧乏人が食べる食事だと言っていました(そういう彼もほぼ毎日のように食べていましたが)


サボテンも料理の具材として使われます。普通にスーパーマーケットの野菜売り場に陳列されております。日本人にとっては観葉植物のイメージが強いですが、サボテンの葉は海藻のメカブのような食感で意外と日本人の口にあったりします。またサボテンの実はとてもフルーティーで果物の梨のような味がします。

変わったところで、モレ(チョコレートと唐辛子をミックスしたソース)を使った料理もあります。料理にチョコレート?と思っていましたが、口にすると意外とカレーライスの甘口のような味で、個人的には気に入っております。

豚の皮を揚げたチチャロンはスナック菓子のような食感でメキシコ人に人気があります。これを水に浸し料理の具材として使用した時は本来の姿(ぶよぶよとしたコラーゲン状態)に戻り、見た目、食感からして、喉を通すのを躊躇しますが、揚げた状態であればビールのおつまみ感覚で食べれます。

メキシコのお酒と言えばテキーラが有名ですが、いったい何の原料から作られているかお分かりですか。私はてっきりサボテンから作られているものだと思っていました。
アガベ(竜舌蘭)という植物(サボテンとアガベは異なる植物)を原料にした蒸留酒をメスカルと言い、その中でもテキーラと呼ばれるのはごく一部のアガベ種を原料にしたものに限られるとのことです。ラベルにagave 100%とあれば間違いなくテキーラです。テキーラエクスプレスという週末にしか運行されていないテキーラ飲み放題の列車まで存在します。

次にメキシコ人の気質についてですが、時間に関してあまりせかせかしていないように思われます。例えば、スーパーマーケットのレジで長蛇の列に遭遇しても(日本人だとクレームを言いたくなるようなシチュエーションですが)、彼らは誰一人として文句も言わずじっと辛抱強く並んでいます。そのくせ、信号待ちの状況で、赤信号から青信号に変わった瞬間にすぐに車を発進させなければ(ほんの数秒遅れただけで)、後ろからうるさいほどクラクションを鳴らされることもあるから不思議です。ちなみに信号待ちをしていると、路上プロレス、新体操、火を噴くパフォーマー、押し売りのような窓ふき連中など盛りだくさんです。


メキシコの人たちは親切ですが、道をたずねると、知らなくても知らないと言わず、親切心からか(と思いたい)、平気で間違った道を教えられるので、なかなか目的地にたどり着くことができません。そんなときは警察官に尋ねたほうが良いと思いますが、その警察官の質があまりよくないのです。速度違反(制限速度内での走行にもかかわらず)で止められ、1000ペソ(約8,000円)罰金を払わされそうになった時、何故か罰金を800ペソ(約6,400円)にディスカウントしてくれたのは驚きでした(やはり領収証は発行されませんでしたが)あとでメキシコ人の知人に確認したところ、それは払い過ぎで相場は200ペソ(約1,600円)程度だと好意的なアドバイスを受けました。運悪く2回も同じ場所で警官に停車させられ、前回同様のシチュエーションとなりましたが、彼のアドバイス通り、そっと200ペソを握らせたところ、それ以上追及されることなく、無事にその場を離れることができました。彼に感謝です。

最後に少しばかり仕事の話(メキシコ通関事情)について述べてみたいと思います。
日本を始め大多数の国では、通関業の免許は業者(法人)に付与されますが、メキシコの場合、法人ではなく通関士個人に与えられます。従い、荷主は通関士個人に通関業務を委託することになります。よってメキシコでの通関士のステータスは高く(聞くところによると弁護士よりハイステータス)絶大な力をもっています。誰でも通関士になれるわけではなく、メキシコ生まれの生粋のメキシコ人しか通関士になることはできず、尚且つ、実質上、世襲制のため、毎年試験が行われておりません。メキシコ全土においても通関士の絶対数は少なく、このことが競争を妨げ、メキシコにおいての通関コストが高くなる理由の一つと考えられております。また通関申告ミス(税表番号の取間違い等)は荷主へのペナルティーではなく、通関士個人へのペナルティーとなり、最悪の場合ライセンス剥奪とかなり罰則が厳しいです。それ故、メキシコへ輸入される貨物に関しては必ずといっていいほど輸入申告前にプレビオ(と呼ばれる内容点検)を実施し現物を確認してから申告するのが一般的な輸入の流れとなります。メキシコ向け貨物出荷の際はこの点留意いただければと思います。

テーマが絞れず、あまり纏まりのない内容となりましたが、メキシコの事情を少しでもお伝えすることができたならば幸いです。(筆者:恩知)

 

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