北京山九物流有限公司天津分公司(天津支店)の高橋祐治です。
2013年4月より、天津分公司の開発区センター長として、天津経済技術開発区における、日系お客様の輸出入業務・国内輸送・倉庫業務等の管理・監督を担当させて戴いております。
■社歴・紹介
2000年入社~06年門司支店(海務G、及び輸出入通関Gに所属)、06年~08年海外プラント輸送部(他社出向)、09年~10年国際複合輸送部、10年中国事業企画推進部に所属して参りました。 10年11月より天津天山での駐在勤務を皮切りに、上海での出張応援を経て、現職部署に異動、天津での駐在生活3年目を迎えています。
私の中国との関わり合いは、幼少より漢字の書体が好きだったこと、三国志に傾倒したこと、そして、浪人時代に読んだ『大地の子』を通じて、中国に深く関心を寄せることが契機となります。 学生時代には北京に留学したこともあり、ほぼ10年ぶりの中国での生活となった今回、天津(開発区)での駐在生活を、カレンダーを交えてご紹介させて戴きます。 天津市は、岩手県より大きな面積を有しており、今回の紹介は、私の生活の主体である開発区(市内から東に50kmほど離れた塘沽(タングー)と呼ばれる港頭地区)をメインに取り上げてみたいと思います。
(天津経済技術開発区中心部の風景)
■わかりやすい天津の気候
日本の秋田と同じ緯度の天津は、中国大陸の北方に位置するだけあって、夏は大陸性の気候で涼しく、冬は極寒の地というイメージがあります。
しかし実際に住んでみると、意外に夏は蒸し暑く、冬も凍てつく寒さでありながら、部屋は温水暖房によるシステムが完備されて快適に過ごせます。 春分や立秋といった「二十四節気」は、天津の気候の移ろいのバロメータとして、有効な目安にもなっています。 携帯電話にも、季節に合わせて体にいい食べ物の紹介や、健康管理を促すようなショートメッセージが届いたりもします。 但し、現地に住む人曰く、過酷な夏や冬は長く、春や秋といった過ごしやすい季節は、あっという間に過ぎ去ってしまいます。
(正月間近の電光掲示看板はかなり派手です!)
■年に2回の「新年好(あけましておめでとう)!」
新暦が主流の日本では、カレンダーを掛け替え、「あけましておめでとう!」で新年を迎え入れます。 ところが、旧暦が人々の生活に浸透しているこちらでは、新暦の正月をカウントダウンしながら、花火を打ち上げたりして過ごしたかと思うと、旧暦の正月も新暦のそれに負けない程、派手に過ごしています。
旧暦の正月も、毎年変わるため(大体1月下旬から、2月中旬あたりで変動)、新暦と旧暦の正月が1ヶ月程の開きがある時は、正月がどのタイミングで始まるのか、しまりのない雰囲気もありますが、めでたいことは、何でも自分たちの生活に受け入れてしまう器の大きさは、大陸的感覚ならではなのかもしれません。
(スーパーマーケットには、正月グッズが棚一杯に陳列されています)
旧正月は、家族の団欒の一年の最大のイベント、この時期の前後数週間は、料理店や商店など休業にする店舗も多く見られます。そして、辺りかまわず爆竹や打ち上げ花火を炸裂させるのも、この時期になります。 街中こぞって煙幕濛々とする中、人目構わず打ち上げるのは良しとしても、花火の後に水掛けをする、後始末のマナーがないようで、一年を通して消防車がフル稼働するのも、この時期のようです。
(車の傍でもお構いなし!爆竹を炸裂させています)
■3連休休暇
春節休暇は国家指定休暇でもあり、1週間連続で強制的に休みになります。 これとは別に、清明節(4月の初旬)、労働節(5/1前後)、端午節(6月中旬)、中秋節(9/23前後)といった、旧暦の節気に絡めた3連休の国家指定休暇も設けられており、この休み確保の為に、その休暇前後の土日が振替出勤にさせられてしまうといった現象も起きています。
会社勤め人としては、飛び石休暇の方が精神的にも有り難いのですが、景気刺激策の一環として、当分この休暇設定は変えられそうにないようです。おかげで、各地の観光スポットは、車の渋滞が発生し、人ごみの中に人ごみができているといった様相を呈しています。
(一昔前の自転車の波はどこへやら、今は車がとにかく市民の足に)
■国慶節
10月1日は、言わずと知れた「中華人民共和国」成立記念日。 街中、至る所に色とりどりの花を置いたり、国旗を街灯に掲げたり、街中が真っ赤に染められます。
1週間の休暇設定になるため、春節に並ぶ“民族大移動”が発生するのもこの時期。 季節的にも、一年を通して一番過ごしやすいこともあって、故郷の家族との再会や、遠出の旅行に出かける人たちの移動で、飛行機、鉄道やバスターミナルは、至る所が人ごみで埋め尽くされます。
高速道路も、ここ数年のマイカー所有の世帯が急増している影響と、無料開放期間も設定されているため、至る所で渋滞が発生しています。 モノを運ぶ我々の立場としては、そんな渋滞に巻き込まれ、お客様の貨物の納期遅延に繋がりかねない、敏感な時期とも重なります。
■一年も終盤に
国慶節が過ぎると、街路樹の葉っぱも色褪せ始め、落葉と相まって冬の到来を感じ始めます。 木枯らし一号も吹き荒れ、街中は徐々にクリスマスのイルミネーションのネオンに色染められてゆきます。 商売繁盛のためなら、クリスマスイベントも味方につけてというのは、商魂たくましいこの地でも、日本以上に派手に繰り広げられているといった印象があります。
(イルミネーションの光の使い方は、かなりセンス良しです!)
■最後に
私の所属する開発区事務所の業務取扱量も、ナショナルスタッフの努力も功を奏して、徐々に増えつつあります。 天津の港口である、新港のコンテナ取扱量も、中国の第6位にランキングされ、わが社の今後のお客様作業の取扱い増加の可能性を秘めています。 中国国内の需要も、今後ますます増加傾向にあることを見越して、国内輸送や、倉庫業務においても、山九品質や安全文化をナショナルスタッフにも確実に伝承し、お客様に貢献することで山九グループへの更なる発展に寄与すべく、日々奔走しているところです。(著者:高橋)
(港近くに高く山積みされたコンテナデポ風景)
(開発区事務所スタッフと共に、著者:後列左から3人目)
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