みなさん地球の裏側からこんにちは。Sankyu Logistics Brazil駐在の飯沼です。
東京-サンパウロ間で約1万8000km=1万1000マイル。 1回の給油で長く飛行できる代表は国際線仕様のボーイング747-400型機で、最長航続距離は約1万2000km。 ということは・・・一回の飛行で日本からブラジルへダイレクトに飛ぶことは不可能という現実が突きつけられることになります。 西回り・東回りどちらから周ってもブラジルは遠い。 現在売り出し中のアラブ諸国経由という選択肢もあるのですが、ヨーロッパからでもアメリカからでも、まずは経由地まで軽く12時間。 トランジットで待つこと、ほんの5-6時間。さらに気合を入れ直し乗り継ぐこと12時間。合計約30時間の旅。
104年前(1908年)、第一回移民船笠戸丸で、神戸港からケープタウン経由の52日間の航海にてブラジルへ渡った781名の先人からすれば、たったそれだけ?と鼻で笑われてしまうのかもしれません。 でも、エコノミー症候群の危険と一緒に飛ぶブラジルへの長旅はやっぱり疲れます。 たまるのはマイルと疲労だけ。
(南米への移民を呼びかけるポスター)
簡単に行けない、帰れないという潜在意識を常に持って生活をしておりますと、だんだんと日本人のDNAが芽生えてきまして、日本的なもの対する憂愁の念がふつふつと沸いてくるものです。
NHKはケーブルTVで高い別契約をすれば映りますが、大好きなスポーツは肝心なところで静止画。 しかも編集精度があまく、画面下数ミリのところで背景の動画がチラチラと見えるため、何が起こっているのだろう?と余計にストレスがたまります。 どうせなら完全に見えないように編集してください!しまいにはブラジルとは全く関係のない、関東地方の道路交通渋滞ニュースなどが流れますが、なぜか見入ってしまいます。 小職などは日本では絶対見なかった連続テレビ小説を楽しみにするようになってしまい、今や「梅ちゃん先生」の次なる展開が、心の寄りどころとなっております。
■さくら祭り
そんなことでここブラジルでも桜が見られる、というので早速家族を連れて癒されに行って来ました。 ブラジル日本文化福祉協会(文協)の年間行事で、毎年この時期桜祭りが開催されます。 今年は7月7・8日に行われました。
ブラジルの季節は日本とは全く逆。 皆さんイメージされる常夏の王国で年がら年中暑い、というのはサンパウロにはありません。 7-8月はこちらでは冬ですがサンパウロ州一帯ではこのころ桜が開花します。 ブラジルに桜の苗木が持ち込まれたのは1930年前後の80年前。 ブラジルの気候風土に合うのは、「カンヒザクラ(寒緋桜)」という品種で、こちらでは「沖縄桜」 といわれています。 沖縄移民の方が比較的多いからでしょうか。
小職などは「染井吉野」のような派手に舞い散る花吹雪を期待して行ったのですが、それでも、この沖縄桜というのは濃いピンク色の可愛いらしい花を一生懸命咲かせてくれていたので、思いのほか癒されてしまいました。
(桜まつりの沖縄桜) (沖縄桜 けなげに咲いてくれます)
この桜祭りは、ここに暮らす日系人の方々の日本文化の紹介・交流の場ともなっており、地域にしっかりと根ざした形で各地で行われています。 日系人だけの集まりに限らずブラジルでの日本文化の交流の場としても発展しています。
会場では、日本食の屋台が出ており、焼きそば、串焼き、うどんなどなどがでており集まった人でごった返しております。 私たちは、ぜんざいと若干濃い目の甘酒をたっぷりいただき、自家製の梅酒をお土産に買って家路につきました。
(たくさんの日系人の方々が集まっていました)
■日本祭り
サンパウロ州には約150万人の日系人からなる世界最大の日系社会が存在しています。 桜祭りに限らず、様々な文化団体がバラエティに富んだ日本文化事業を頻繁に開催しています。 その中でも最大のイベントが、今回で15回目を迎えた「フェスティバル・ド・ジャパン(日本祭り)」ではないでしょうか。 ということで、7月13日-15日サンパウロ市内の展示場で開催された日本祭りに早速家族を連れて癒されに行って来ました。
(日本祭り会場入り口の鳥居)
今年のテーマは 「共存する進歩と環境」。 サンパウロには「県人会」といわれる、日本の全都道府県人会が存在しています。 日本祭りはこれらをまとめるブラジル日本都道府県人会連合会が主催しております。 4万平方メートルもある広大な展示会場には朝から人々が詰掛け、各日本企業や文化財団がブースを出展しており、また文化的な紹介で、茶道のお手前や、生け花の展示、漫画教室、さらにはAKIBAコナーまであり、しっかりと日本文化になっております。
(しっかりとスカイツリーもおさえ、威勢の良い看板がわくわく感を助長してくれます)
(この熱気。日本企業ブースがたくさん出ています) (茶道のお手前もライブで見せてくれます)
私の注目は、「ミス・ニッケイ」コンテストでしたが、前日に終了していたので拝見できませんでした・・・・・残念。
(今年はいよいよ日系メーカーのハイブリッド車も、ブラジルマーケットに登場します)
そして、野外には各県人会が郷土料理を販売する屋台がずらりと並んでおり、これが大変な人気を集めています。 日本食に飢えている子羊たちは、企業ブースよりも真っ先にこちらへ突撃いたします。 すでに会場は黒山の人だかりで熱気ムンムン。 私たちは若干出遅れたので、これではもしかしたら食べられないのではないかと不安にかられ、早急に胃袋を戦闘モードにシフトし急いで回ることにしました。
真っ先に行ったのは、小職の地元「愛知県人会」 きしめん、ひつまぶし、味噌煮込み、小倉トースト、あんかけスパ、手羽先、ういろう・・・これら「名古屋めし」の数々を夢見ながら前日は寝床に着いたのですが、結局これらはなく非常に残念でした。 でも、かろうじて「てんむす」があり、早速いただいてしまいました。
その他私たちの胃袋に収まったものは・・・静岡県人会=蒲焼き、 福島県人会=喜多方ラーメン、 広島県人会=お好み焼き、 鹿児島県人会=さつま揚げ、山梨県人会=ほうとう 等々をこれでもかと暴れ食いを致した次第です。心残りは、香川県人会=さぬきうどん。 ものすごい人たちの行列の前に断念し来年に持ち越しとしました。 後から香川県人会でボランティアをされていた方から裏情報をとりましたところ、行列の原因は不覚にも「てんぷら」であったとのこと。 うどんを湯がくよりも、てんぷらを揚げることに思いのほか時間を費やしてしまいあの行列を発生させてしまった、と反省の弁を述べておられました。 来年はこの点改善されることと思われますので期待です。(著者:飯沼)
(愛知県 県人会のてんむす) (福島県人会の喜多方ラーメン)
(長野県人会の野沢菜もよかった) (とにかくブラジル人も食べる食べる)
(鹿児島県人会のサツマ揚げはおいしかった) (大阪県人会は焼きそばで押してます)
(広島県人会のお好み焼きは大盛況) (静岡県人会のお茶とウナギの蒲焼)
(福岡県人会はサンマ) (黒山の人だかりです)
(来年はもっと戦略を練って行こうかな)
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