山九マレーシア・ペナン支店長の森野育雄です。 ペナンでは海上・航空貨物フォワーディングサービスおよび倉庫・輸送サービスをご提供しております。
(ペナン支店集合写真)
1991年の入社以来、東京勤務を皮切りに、ジャカルタ、神戸、ホーチミン、大阪、そして現在のペナンと転々としていますが、中でもペナンの街が一番気に入っています。 理由は多々ありますが、中でも『安くて早くて旨い』三拍子揃ったホカセンター(Hawker Center=屋台街)があるからです。
(ホカセンター)
ではホカセンターとは、どのような仕組みになっているかを最初に紹介します。 まず元締(オーナー)が居て、場所とテーブル・椅子そして電気・水道施設を整備して屋台店主を募ります。 屋台店主は自分の得意な料理を自前の調理器具と具材を持ち込み、お客さんに料理を提供するというものです。 屋台店主は、元締に月極めの地代を払うというシステムになっています。 一つのホカセンターの中に同じ料理を提供する屋台はありませんので、元締は同じ料理がダブらないように配慮しているのです。 とても合理的な外食産業モデルと言えます。
もちろんマレーシアでは、どこの街でもホカセンターはあるのですが、とりわけペナンはまずい料理を出す屋台はクチコミですぐにつぶれるというくらい激戦区となっているので、味のレベルが高いのです。 噂に聞くところ、人気屋台の店主は、ベンツを乗っているくらい儲けている方も居るようです。
また、マレーシアでは中華系の女性は結婚しても働き続けるので、一般的に女性は料理をしないと言われています。 ですので、このような外食産業の需要は高く、朝から晩まで流行っています。 ホカセンターは女性の社会進出にも一役買っているという訳です。 日本でもこのようなシステムがあれば、女性にも男性にもどんなに便利なことでしょう。
それでは『ペナン屋台メニュー・ベスト5』と題して、皆さんにご紹介したいと思いますので、もう暫くお付き合い下さい。 (注)順番は、筆者の独断と偏見。
まずは第5位から。
- ホッケンミー(ローマ字:Hokken Mee、中国語:福建麺)
えびのだしが効いた辛口スープに2種類の麺(イエロー麺とビーフン)がしっかり絡み、一度食べたら忘れられない味。 地元のペナンっ子達は、ペナンのホッケンミーが一番と口を揃えて自慢します。ミディアムサイズで、3リンギット(日本円で約75円) 因みに今日の昼食は、ホッケンミーでした。
次は第4位。
- ワンタンミー(ローマ字:Wantan Mee、中国語:雲呑麺)
スープタイプとドライタイプの2種類あり。写真はドライタイプ。私はドライタイプがお気に入り。 細い縮れ麺に(色の割りには)さっぱり薄味のたれが絡まり、裂いた鳥ササミと青菜がトッピングされている。 肝心のワンタンは、別の器に盛ったスープと一緒に。お好みで青唐辛子の酢漬けと一緒に。ミディアムサイズで、3リンギット(日本円で約75円)
第3位
- エコノミーライス(ローマ字:そのまま、中国語:経済飯)
まずはご飯をお皿に盛ってもらい、自分のすきなおかずをチョイスするという仕組みです。 おかずは、牛肉、豚肉、鶏肉、いろいろな魚料理、いろいろな野菜料理、卵料理、豆腐料理、などなどバラエティーに富んでいます。そして選んだ分だけ、料金を払います。どんなに山盛り頼んでも、10リンギット(約250円)くらいですので、山九の社員のような現場労働者には有難い味方です。
第2位
- ペナンラクサ(ローマ字:Penang Laksa)
魚だしをベースにトウガラシ、タマリンド、レモングラス、ペパーミントなどをミックスした酸っぱ辛いスープに太めの麺が入ったペナンの代表的な麺料理です。とても複雑な味がします。 最初口にした時は、おやっと思ったものですが、食べなれると中毒になります。 魚や厚揚げなどをトッピングすると、これまたいけます。 因みに、CNNが選んだ世界で最もおいしい食べ物ランキングで、第7位になったそうですが、値段は3リンギット(約75円)ぽっきり。コストパフォーマンスでは世界第1位?
それでは、第1位。
サフランとココナッツミルクで炊いたご飯にすきなおかずをトッピングして食べるマレーシアの代表的な米料理。 マレー語では、Nasiはご飯、Lemakは油という意味です。 小魚を油で揚げたものとピーナッツと一緒に甘辛く煮付けた付け出しが必ず付いてきます。エコノミーライスと同じ料金システムです。写真ではバナナ風のお皿に盛ってありますが、本当のバナナの葉で包んで売る事もあります。ただ油分が多いので、食べすぎには注意しないといけないのですが、でもついつい足が向いてしますのです。
番外編
だいたいどこのホカセンターにもありますが、フルーツを一口大にカットして袋売りされています。 氷で冷やしているので美味しく頂けます。だいたいどの袋も1リンギット(約25円)程度なので、食後のデザートして老若男女に愛されています。
最後に本音です。 なんと言っても日本食が一番。いくら食べてもやっぱり飽きない。 ではペナン屋台の何が良いのか? がやがやしたペナンの屋台でご飯を食べていると、自分がその中に溶け込んで現実感がなくなる。そんなところが心地よいのかもしれません。
ペナンの街も空を見上げると高層マンションが立ち並び、だんだん青空が狭くなってきてますが、この屋台文化はずっと残ってほしいものです。(著者:森野)
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