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改正省エネ法

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■改正の目的

地球温暖化防止に関する京都議定書の発効を踏まえ、各分野におけるエネルギー使用の合理化を進めるため、エネルギー消費量の著しい運輸分野における対策を導入するとともに、工場・事業場及び住宅・建築分野における対策を強化すること。

■運輸の分野に係わる改正ポイント(新規)

◆荷主企業
一定規模以上の荷主企業を特定荷主とし、省エネ計画の策定やエネルギー使用量等の定期報告が義務付けられる。

  • 特定荷主の範囲
    自らの事業活動に伴って貨物輸送を委託している量(自家物流を含む)が、3,000万トンキロ以上の事業者(約2,000社)
  • 取組み方法と目標
    以下の様な取組を通じ、中長期的にみて、エネルギー消費原単位を年率1%低減させることを目標とする。
    • 省エネ責任者を設置する
    • 社内研修を実施する
    • モーダルシフトを推進する
    • 自家用貨物車から営業用貨物車への転換を図る
    • 他事業者との共同輸配送を実施する 等

  • 計画の策定
    取組みの中から事業者毎に実施可能な取組を選定し、計画を策定する。年に一回、主務大臣(経済産業大臣及び事業所管大臣)に計画書を提出する。

  • 定期報告
    委託輸送にかかるエネルギー消費量、エネルギー消費原単位、省エネ措置の実施状況等について主務大臣(経済産業大臣及び事業所管大臣)に報告する。

  • 荷主のエネルギー使用量の算定方法
    荷主は3方式でエネルギー消費量を把握→輸送実態に合わせて選択する。
      1. 燃料法 : 専用便、共同輸配送便など(精度を重視する場合)
        実際に消費した燃料からエネルギー消費を算定。
        混載の場合は荷物量などを勘案して割り振る。

      2. 燃費法 : 共同輸配送便、一般混載便など
        燃費と輸送距離から推定。両データは運輸事業者から入手。 
        それが難しい場合は推定値を利用。

      3. 改良トンキロ法(トラック限定) : 燃料法や燃費法の適用が難しい場合。
        積載率を考慮してトンキロ法を改良した手法。
        積載率以外は実測データなしでも算定できる。積載率も推定値が使える。

◆輸送事業者
一定規模以上の輸送能力を有する者(輸送機関毎)は特定輸送事業者として指定され、省エネ計画の策定やエネルギー使用量等の定期報告等が義務付けられる。

  • 特定輸送事業者の範囲(貨物)
    輸送機関別輸送能力
    • 鉄道:300両以上
    • トラック:200台以上(約340社)
    • 総船腹量:2万総トン
    • 総最大離陸重量:9,000トン(航空)
      ※自家用貨物自動車を使用して自家物流を行っている者を含む

  • 取組むべき事項と目標
    輸送事業者ごとにエネルギー消費原単位を中長期的に見て年平均1%以上低減させることを目標とする。
    輸送事業者が省エネへの取組みを示す方針を策定することや省エネ対策責任者を設置し省エネへの取組みの推進体制を整備する。

  • 取組むべき事項
    • 共通:荷主、他の輸送事業者との連携強化

    • 自動車:低燃費車の導入
      ・運転者指導、デジタコの導入等によるエコドライブの推進
      ・トラックの大型化、トレーラー化
      ・共同輸送の実施等による積載率向上、帰り荷の確保
      ・高度GPS-AVMシステムの導入等による空車走行の削減

    • 船舶:低燃費船舶の導入
      ・経済速力航行の実施等の船舶の省エネ運航の実施
      ・冷暖房効率の向上
      ・船舶の大型化
      ・共同輸配送の実施等による積載率の向上

  • エネルギー消費原単位
    貨物輸送事業者の省エネルギーの指標となるエネルギー消費原単位は以下のように定める。

    エネルギー消費原単位 = エネルギー消費量 ÷ 輸送トンキロ
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