EPE(Export Processing Enterprise)とは輸出加工型企業のことで、部材を輸入し、加工・生産した製品を輸出する企業を指す。
■EPE(輸入加工型企業)とは
ベトナムでEPE形態で投資ライセンスを取得した企業は、輸入関税・VATに関してインセンティブを与えられ、便宜的には保税工場とみなされる。 海外から輸入される設備や部材に対しては、そのライセンスに認可された範囲で、輸入関税・VAT免税を享受することができる。 認可された範囲であるかどうかの判断は、その企業が立地する省・市の所轄税関が担当する。
税関の判断は、大きく次の3点に分類される。
<税関による判断分類>
■輸入材料報告義務 EPEは、材料を免税で輸入することができるため、その使用に関して、税関への報告が義務付けられている。 2015年4月1日に財務省により通関手続きに関するサーキュラー38/2015/TT-BTCが施行され、様式・頻度等が変わった。
報告様式は、それまでの数量の報告から、下の様式15/BCQT/GSQLで会計上の材料と製品の在庫金額を報告することとなった。 また頻度は、4半期毎から、会計年度終了後90日以内の1回へと変わった。 ※152、155はベトナム会計基準における流動資産の勘定科目番号。152は原材料、155は完成品。
◆2015年の輸入材料報告方法の変更による注意 材料と完成品の会計上の金額を年毎に報告するだけとなるため、以前のような数量の理論値による税関の監視とは異なってくる。
税関は、EPEが適正に輸入した材料で製品を製造して輸出しているか(横流し等をしていないか)の監視を目的としていることを考えると、この報告だけでは材料勘定から完成品勘定への金額の積み重ね過程が見えず、各製品の材料構成が見えないため、事後調査に備えて完成品の入庫金額(製造原価)がどのように構成されるかの説明と資料提示が出来るようにしておく必要があると予想される。 例えば、ある完成品入庫金額(製造原価)に対する材料消費金額との関連、労務費・経費の賦課割合、材料のロスや廃棄、再輸出、作業屑の販売等の材料消費(出庫)金額と完成品金額の違いを生む側面の説明が求められる等が以後予想される。
■国内企業からのモノの調達
EPEとして認可された企業は、国内企業から商品を購入する際は、基本的に通関をする必要がある。 EPEとしての事業を遂行するために必要な、Article 74_1の建築資材・事務用品・食品・消耗品の場合は、輸入通関するかどうか企業が選択することができる。
また、他のEPEと取引を行う際は、通関の必要はない(選択制)。 ① 輸出申告 ② 輸出承認 ③ 輸出申告情報を購入者(EPE)に送信 ④ 輸入申告 ⑤ 輸入承認
■工場以外の倉庫の利用
EPEは、管轄税関の裁量のもとに、工業団地・輸出加工区・ハイテク区・経済区の中で材料・完成品を保管する外部倉庫(一般倉庫)を利用できる。
外部倉庫を利用する際は、書面にて①倉庫の所在地・地区、②倉庫の設備、③在庫管理方法、④賃貸期間を管轄税関に通知する必要がある。ただし、外部倉庫での加工はできない。
また管轄税関は、申請内容を審査し、倉庫が壁等で外部と隔離された構造になっているかどうかや、入出庫口に監視カメラがあり、税関がアクセスできるかどうか等チェックする倉庫の実地監査も行う。
入出庫状況を、4半期毎(締め後、翌月15日迄)に管轄税関へと報告しなければならない。
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